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家を売却したら確定申告をするの?

2019.02.28

家を売るご相談をいただく時に「確定申告はするの?」とよく聞かれます。全てのケースが必要ではありませんが、場合によっては申告をすることによって税金を支払わなくて済むことがあります。「ウチの家を売った場合はどうなるんだろう?」とお考えの方、確定申告のこの時期に少し学んでみましょう。

 

今さら聞けない「確定申告」って?

よく「確定申告」という言葉を耳にしますが、実際にどんな手続きをするのか、どんな人が対象になるのか、みなさんご存知でしょうか?「確定申告」とは、国や地方に納める税金の申告手続きのことを言います。どういうことなのか、早速解説しますね。

 

確定申告とは? 申告をしないとどうなる?

前年1月1日から12月31日までの1年間のすべての所得を合計し、所轄の税務署に確定申告書を提出して申告・納付するのが「確定申告」。一般的に会社勤めをされている方で、給与以外の所得がなければ、会社で年末調整の手続きをしてくれているため申告する必要はありません。しかし、給与以外の収入がある場合は、自分自身で確定申告をする必要があります。期日までに確定申告をしなかった場合、納税対象者は「無申告加算税」「延滞税」などの罰則を受ける可能性があります。

 

家や土地を売ったら「確定申告」が必要なの?

先に結論を言っておきますと、不動産売却後に利益が出た、出なかったに関わらず、どちらの場合も確定申告をした方が良いです。まず、売利益が発生した場合ですが、不動産を売却して得られる利益は「譲渡所得」として計上されるため、自分で計算し確定申告して、税金を納める必要があります。また、反対に損失を出してしまった場合でも、所得と損益通算して、税金を抑えることが可能となる場合があるため、確定申告することをオススメします。

 

「譲渡所得」と「譲渡損失」の確定申告とは?

上記でも延べたように、不動産を売却して得られる利益のことを「譲渡所得」といいます。給与とは別に計上されるため、自分で計算し申告しなければなりません。また、家の売却価格が住宅ローン残債よりも安い価格だったときの損失を「譲渡損失」と言います。譲渡損失は、申告する義務はないものの、売却年分の確定申告を行うことで損失分の控除が受けられます。仮に申告しなかった場合、税務署から問い合わせがくるかもしれません。その場合は、利益ではなく損失が生じたことを説明することで、罰則等の問題を防ぐことができるでしょう。

 

申告期間はたった1ヶ月!?

確定申告の期間は、毎年2月16日~3月15日と決められており、わずか1ヶ月間しかありません。一般的には、現在の住所地を管轄する税務署に申告場所となりますが、最近では税務署内に確定申告会場を設けずに、大型のショッピングセンターやコミニュティセンターなどに確定申告会場を設けているケースが多いので、必ず最寄の税務署に確認するようにしましょう。また、家や土地の売却が絡む、複雑な申告をしなければならないときは、税理士さんによる無料相談を利用するのも1つの手です。まずは申告場所を事前に調べてみましょう。

 

確定申告の流れ

流れとしては、所定の申告書に必要事項を記入し、税務署の窓口に提出するのが一般的。前述したとおり申告期間はわずか1ヶ月。期限間近には税務署の窓口が混雑するので、早めに手続きを済ませておきたいところ。書類を郵送するという方法もありますが、間違いや修正があると税務署から呼び出されることがありますので、チェックを兼ねて直接届け出る方法がオススメです。

 

申告に必要な書類、どこで申告するの?(ネットでも可)

申告に必要な書類は大きく分けて2種類あります。「税務署から入手する書類」と「自分で用意する書類」。まずは税務署から下記の書類を入手しましょう。

 

■税務署から入手する書類■

◆確定申告書B様式(平成29年分以降用:国税庁)

◆分離課税用の確定申告書(国税庁)

◆譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用:1から4面、国税庁】

◆譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)【土地・建物用:5面、国税庁】

下記、書類の記入例になりますので参考にしてみてくださいね。

◆確定申告書の記載例(国税庁)

◆譲渡所得申告の記載例(国税庁)

 

■自分で用意する書類■

自分で用意しなければならない書類には下記のようなものがあります。主に、売却した不動産に関連する書類のコピーと領収書です。

◆不動産売却時の売買契約書

◆不動産購入時の売買契約書

◆仲介手数料、印紙税などの領収書

これらの書類は申請時に必ず必要になりますので、早めに用意しておきましょう。

その他、窓口での手続き以外に、郵送による申告書の送付や、税務署に設置されている時間外文書収受箱への投函、さらに電子申告・納税システム(e-tax)による申告という方法も用意されていますので、自分に合った方法で賢く申告しましょう。

 

知らないと損するオトクな制度って?

不動産を売却して安心しても、もう少しだけ頑張って税金についての手続をきちんとしましょう。面倒な部分もありますが、様々な特例を受けられることもあるのです。

 

譲渡所得税の計算方法

不動産を売却したときの譲渡所得に対する税金は、事業や給与などの所得とは別に計算しなければなりません。税額を計算するためには譲渡所得を算出しておく必要があります。基本的に譲渡所得税は、以下の計算式に基づいて計算することができます。
譲渡所得税=譲渡所得☓譲渡所得税の税率

 

上記の譲渡所得を割り出すための計算式

譲渡所得=売却価格—(購入価格+購入時にかかった諸経費+売却時にかかった諸経費)

となります。

譲渡所得とは、単純に売却価格から購入価格のみを差し引いたものではなく、購入時や売却時の諸経費を含めて差し引きしたものになります。

 

マイホームを売却する場合の特別控除とは? その他には?

不動産売却において、所得税が安くなる特例は主に3つ。利用するには確定申告が必要です。下記に不動産売却で利用可能な特例をあげてみましたので、利用できるかどうか確認してみましょう。

 

①3,000万円特別控除の特例

マイホームを売却する場合は、所有期間に関係なく最高3,000万円の特別控除が認められています。

【主な要件】
  • マイホームに住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
  • 売る相手との関係が、親子・夫婦・生計を共にしている親族ではないこと
  • マイホームを売った年の前年、前々年にこの特例、買い換え、損益通算などの特例を受けていないこと
  • 住宅ローン控除を受けていないこと など

 

 

②マイホームを売却する場合の軽減税率の特例

所有期間が譲渡した年の1月1日時点で10年を超過するマイホームを売却する際、一定の要件に当てはまれば税率が軽減されます。

【主な要件】
  • マイホームに住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
  • マイホームを売却した年の1月1日の時点で所有期間が10年を超えていること
  • 売る相手との関係が、親子・夫婦・生計を共にしている親族ではないこと
  • マイホームを売った年の前年、前々年にこの特例や買い換えなど他の特例を受けていないこと など

③ 特定居住用財産の買い換えの特例 

マイホームを2015年12月31日までに売って新しく家を買い換える場合は、一定の要件に当てはまれば、譲渡益の課税を将来へ繰り延べることができます。

【主な要件】
  • 売却する家に住まなくなってから3年目の12月31日までに売ること
  • 売った年の前年、前々年に3,000万円の特別控除、軽減税率、損益通算などの特例を受けていないこと
  • 売却が1億円以下であること
  • 居住期間と、売った年の1月1日時点での所有期間が10年以上であること
  • 買い換える不動産の床面積が50平方メートル以上であること
  • 土地の面積は500平方メートル以下であること
  • 売る相手との関係が、親子・夫婦・生計を共にしている親族ではないこと など

 

「3,000万円特別控除の特例」と「マイホームを売却する場合の軽減税率の特例」は、併用することができます。しかし「特定居住用財産の買い換えの特例」については、他の特例と一緒に利用することはできませんので注意してくださいね。

 

自分で出来ない場合はどうしたらいいの?

「忙しくて時間がない」「やり方がわからない」など、自分で確定申告できない方もいらっしゃるかと思います。そんな方は、確定申告の書類を短時間で簡単に作成する会計ソフトを利用するという方法があります。できれば操作が簡単で、自分に合ったソフトを見つけることが望ましいですが、なかなか難しい場合は、税理士に依頼するという手も。専門家の手を借りれば、面倒な確定申告の手続きもスムーズに行うことができます。ただ、報酬面に関しましては税理士事務所によって異なりますので注意してくださいね。ライブイノベーションでは、確定申告に詳しい税理士さんをご紹介することもできますので、気になる方ぜひご連絡ください。

いかがでしたか? 今回は不動産売却に伴う確定申告の流れや特例などをご紹介いたしました。何かございましたらお気軽にご連絡ください。

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