2018.07.16
不動産の相続をした時によく出てくる言葉として、「評価」はいくらになるか?と問われることがあります。しかし、この「評価」って何でしょうか?知ってるようで実は知らない不動産の「評価」について、詳しくご説明します。
目次
不動産の「評価」とは、分かりやすく言うとその不動産の価値のことです。相続した住宅や土地が、一体いくらの価値があるのかを知る場合によく言われることですが、この評価も実は一つではなく、色々な見方があります。いくつか例を挙げて紹介します。
評価と同じように「相場」という言葉もよく聞かれると思いますが、この「相場」というのは、近隣の不動産がどれくらいの価格で取引されたかを指しています。例えば、近隣の土地取引が坪単価20万円で取引された場合、その周辺の「相場」は坪20万円になる、といったものです。
不動産取引の場合、この「相場」を用いることが多く、売買以外にも賃貸住宅の家賃や駐車場、借地の取引でも周辺「相場」を参考にして価格を決定することが多々有ります。逆に言えば、この「相場」からかけ離れ過ぎていては、不動産取引は成立しづらいことになります。
これもよく聞くと思いますが、「路線価」とは毎年7〜8月に国税庁から発表される、主要な道路に面した1㎡あたりの土地価格を公示したものです。相続税や贈与税を計算する時に使われるもので、一般的な不動産取引の価格とは少し違ってきます。郊外では「路線価」が無い地域も多くあります。
公示地とは、国土交通省が定めた「標準値」において毎年1月1日時点の価値を公示するもので、全国に26,000箇所も対象地があります。これは、標準地を1㎡あたりの価格で表したもので、その地域の最高値や最低値を表したものではありません。公示地価とも言います。
基準値とは、各都道府県が毎年7月1日時点の地価を発表するもので、公示地と同様に公的な地価の指標となることだけでなく、公示地が無い公示区域外においても基準値を出していることがあるので、公示区域外の地価を知りたい場合には重要な指標となる場合があります。
不動産の評価とは、これらの異なる地価をもとに算出するもので、価格査定をする場合においては、それぞれの地価が重要になってきます。売却時や不動産評価を知るための「価格査定」についてもこれらをもとに作成しますが、次はその「価格査定」について説明します。
「評価」と同じぐらい「査定」についてもよく耳にしたことはあるかと思いますが、この「査定」は実はどこも同じではありません。不動産を売却する時や、相続不動産の「評価」をする場合に「価格査定」を行いますが、やり方は各社様々です。その違いを少しご紹介します。
「価格査定」をするやり方に決まりというのはなく、会社によってその方法は様々です。以前は、周辺相場をベースに路線価や基準値、公示地などを算出し手計算をしていたので、その担当者によって計算方法がバラバラでした。今でもそのようなやり方をしている業者もいらっしゃいますが、近年は「査定システム」を扱う業者が一般的になってきています。
査定システムは、路線価などの公的データはもちろん、周辺の取引事例もデータベースに保管されていて価格査定に大いに役立つシステムです。価格査定の算出にはよく使われるものですが、この査定システムもいくつか種類があります。また、扱う会社や担当者によって価格の根拠が変わることもあり、同じ価格システムを使っているように見えても、実は価格に差が生じることが多々あります。
不動産の査定は、車や家具家電の査定とは異なる点があります。それは、査定額=売却額ではないということです。車や家電家具などの場合は査定額で買取をしてくれますが、不動産の場合はその査定額で市場に売り出し、購入希望者を見つけて契約に繋げていきます。その時に、すぐに購入希望者が見つかればいいのですが、なかなか見つからない場合は販売価格から値下げをすることがあります。
購入希望者が見つかった場合も同様に、値交渉と言って販売価格からいくらか値下げを求められることもあり、双方の希望が合意になって、晴れて契約となります。そのようなことを経て売却額が決定するので「査定額が高いからこの会社に決めよう」というのは得策ではありません。長く売れ残って大きな値引きをするより、早期にいい条件で契約できる販売価格を見極めることはとても重要です。
では、どんな査定評価をする業者を選べばいいのでしょうか。これはとても難しいことで、表面上ではなかなか分からないと思います。査定評価は、不動産の売却においては業務のほんの一部に過ぎません。まずは、不動産の売却について少しご紹介します。
不動産を売却する流れを大きく分けてご紹介します。
1、まずは不動産業者に売却の相談をし、この時に価格査定を行います。
物件によっては、法規制のためすんなり売却できない場合もありますし、周辺相場や路線価などでは簡単に値段が決められないケースもありますので、信頼できる業者にしっかり調査をしてもらい、販売価格の設定から売却活動をスタートするまで、しっかり相談して進めてください。
2、販売活動がスタートしましたら、購入希望者が出てくるのを待ちます。
その際に、どのようにすればより良い条件で売れるのかを相談してくれる業者に任せることがポイントです。ただ単に売り出しをするのではなく、見せ方や出し方を工夫するだけで違ってきますから、その点も注意しましょう。
3、購入希望者が現れたら、双方の条件を交渉して、契約となります。
この場合に、購入希望者の多くは価格交渉を求めてくることがあります。少しでも高く売りたいのが売主側の要望だと思いますが、全く応じないのでは買い主側も納得しません。少し譲歩することですんなりと契約に繋がるものですから、その心構えをして臨んでください。
4、無事に契約できたら、物件を引き渡す準備です。
お家であれば引越しをしたり、銀行の借り入れが残っているのであれば、返済に向けての準備が必要です。相続の場合であれば、名義変更に伴う書類に相続人の署名捺印が必要になりますので、ここで滞らないようしっかり準備が必要です。
5、全ての手続きが終わりましたら、決済引渡しとなります。
売却の相談から早くて3ヶ月、場合によっては6ヶ月〜1年間かかることもありますので、事前の準備が非常に大事になります。相続の場合も、多くは売却して現金化して財産を分配することが多いですから、そのように準備をすることが重要です。
売却時の諸費用や税金については、別のページにまとめたものがあるので、そちらをご覧ください。
売却には色々な諸費用が発生しますので、事前にそれらを確認しておくことは重要です。
まとめとして、相続財産の評価はどれも一様ではありません。相場や路線価だけで判断するものでもありませんし、査定報告の限りでもありません。不動産会社の選定についても、問題点や注意事項をキチンと教えてくれる業者に依頼することをお勧めします。「一番高い査定額だから」とか「大手だから」などで判断せず、しっかり相談して任せられる業者を選んで進めていきましょう。
不動産の評価次第で、相続は大きく変わることになります。トラブルの引き金になることがないよう、しっかりとした評価やその後の売却についても納得できるまで相談してみてください。価格査定や相談については無料ですので、まずはお気軽にご相談ください。
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